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2012年01月12日

夫に嫌がらせをした人

 一昨年の今頃、夫(当時61歳)の肺ガンが発覚した。
 夫には姉(当時73歳)がおり、玄関と廊下だけ共有している二世帯住宅で同居していた。義姉はマイペース(というか、回りを見てない)な人でいろいろと軋轢はあったが、夫の入院まではなんとかうまくやっていたと思う。
 さて、夫が「余命半年から一年」と診断されて、夫の親近者が主治医の先生の説明を聞きに行くことになった。夫の父親は夫が15歳のとき、母親は夫が28歳のときに他界されており、ほかに近しい親戚と言えば、もう義姉しかいない。当然、声をかけた。
「ガンがどんな病気だか知ってるから聞かなくていいわ」と断ってきた。こんなときまでマイペースな人だと思った。
 しばらくすると「申し込んでいるツアーに出かける」と言い出した。3週間の海外旅行である。
「まだ大丈夫なはずですが、半年と言われて三日で亡くなった方もいらっしゃいますよ? 帰ってらしたときはお骨になっているかも知れませんよ?」と念を押したら「どうせ、間に合うようには帰って来られないから、弟が死んでも連絡しないで」と言う。このときもまだ私はマイペースな人だと思っていた。
 海外旅行から帰ると、病院に見舞いに来た。
「毎日、何してるの?」と訊く。繰り返すが夫は肺ガンの末期で入院加療をしているのだ。しかも、義姉は「それがどういうことだかわかってる」と言ったのである。
「寝てるよ」と夫が短く答えると。
「あら、毎日ゴロゴロ寝てられていいわね」と言い放った。
 実は義姉は5年前にも入院した伯母のところに見舞いに行き同じことを言って病室を追い出されたことがある。伯母から義姉を口汚く罵る怒りの電話がかかってきたので私は知った。うちと義姉とは電話番号が違うので、義姉の許可を取って義姉の電話番号を教えた。伯母の怒りはおさまらず、1週間ほど義姉の電話が鳴りっぱなしなのが、壁のこちら側にも聞こえてきた。
 あんなに怒られたのに病気で寝ている人間に「いいわね」などと言ったら神経をさかなでするということを覚えていなかったのだ。
 このときを境に、夫は義姉の見舞いを嫌がるようになった。
 4カ月経って、一度危篤状態になり、私は病院に泊まらせてもらった。一カ月後に、いよいよ、もうダメなので会わせたい人は呼んでくださいと主治医の先生に言われたとき、私も夫も義姉はいらないと思っていたのだが、私の母が「兄弟なんだから情があるに決まってる。あんたは血の濃さをわかってない」とゴリ押ししてきて、義姉を呼んだ。
 最後の対面となる。
 その席で。
「増田(私のこと)がろくに家事をしないので、家の中がグチャグチャだ。なんとかするよう言ってやって」と言ってきた。
 散らかっているのは、主に、義姉さんの荷物ですけど、と思いはしたが、まさか、たった一人の肉親との今生の別れのときに、ケンカを買うわけにもいかない。黙っていたら「あれも出来ない、これも出来ない、子供もひどい」とさんざん言い出した。
 最後には夫が「もう黙れ。出て行け。二度と来るな」と怒鳴りつけて、ようやく口を閉じたのだ。



Posted by koja at 13:30│Comments(0)
 
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